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投資手法によって異なる対応法
米中貿易問題や世界経済失速等のさまざまな要因により、相場の先行きが不透明になっています。
そのような相場の先行きが不透明な時の投資における最適な対応法は、ややもすると、ひとくくりで、「こうするのがイイ!」というような記載を見受けますが、実際のところは、投資手法によって、その最適な対応法は異なります。
投資手法というか、得たい利益の種類から投資手法を大別すると、以下の二種類になります。
- キャピタルゲイン(売買差益)狙いの投資
- インカムゲイン(内部利益、運用益)狙いの投資
その二種類の中でも、既にポジションを取っている場合と取っていない場合のケースが考えられます。
したがって、それぞれのケース別に最適な対応法を考えてみたいと思います。
キャピタルゲイン狙いの投資
キャピタルゲイン狙いの投資の場合、流れに沿った売買が基本です。
その基本から考えると、ポジションを取っている場合と取っていない場合の対応法も分かりやすいのではないでしょうか。
キャピタルゲイン狙いの投資でポジションを取っている場合
例えば、買いポジションを取っている場合は、どこかのタイミングで売らないとキャピタルゲインを得ることはできませんので、「いつ、いくらで売ればいいか?」について、非常に悩ましいところです。
相場の先行きが不透明な場合は、下げに備えて、一旦、売っておいた方がいいのではないかと考える一方で、売った後に、上げたら悔しい思いをするというように、なかなか判断がつかないものです。
このようなケースの対応法としては、トレーリングストップの逆指値注文が有効です。
例えば、「高値から、xx円下げたら、yy円で売る」といったような注文の仕方です。
この方法なら、上昇している時は、高値の方は更新し、下値の方は切り上げていく形になりますので、流れが変わったタイミングで、自動的に、利益確定してくれます。
キャピタルゲイン狙いの投資でポジションを取っていない場合
この場合は、流れがハッキリするまで、相場に入らないという対応が望ましいです。
ポジポジ病というような常に相場に入っていないと気が済まないような方もいらっしゃるかもしれませんが、不用意に相場に入っていると、急落に遭い、大きな含み損を抱える事態にもなりかねません。
相場の先行きが不透明な時に、新たにポジションを取るということは、「上か?下か?」の賭け事をしているようなものですので、確率論から言っても、負ける可能性が高いのは明らかです。
したがって、流れがハッキリするまで、様子見をするのが結果としては、勝つ確率を上げることになるでしょう。
インカムゲイン狙いの投資
インカムゲイン狙いの投資の場合は、利回りを上げたい方がほとんどだと思いますので、どうしても、流れに逆らった売買になりがちです。
インカムゲイン狙いの投資でポジションを取っている場合
インカムゲイン狙いの投資でポジションを取っている場合というと、通常は、買いポジションです。
しかも、現物買のケースが大半だと思いますので、この場合、相場が不透明でも、銘柄選定さえ間違っていなければ、そのまま買いポジションを取っていれば、特に問題ありません。
したがって、対応法としては、何もしないが正解です。
インカムゲインが手に入れば、相場が上げようが下げようが特に問題ないからです。
インカムゲイン狙いの投資でポジションを取っていない場合
通常、インカムゲイン狙いの投資の場合、目標とする利回りがあるはずです。
したがって、その利回りを上回る株価になれば、買えばいいだけです。
ポジションを取っている場合と同じで、相場の先行きが不透明でも、勝った後に、インカムゲインが手に入れば特に問題ありませんから。
ただし、この場合も、銘柄選定さえ間違っていなければという条件付きであることは、付け加えておきます。