
赤字時の配当金の原資は、どこから出てくるのか?
決算発表を注意深くチェックしていると、業績が良くないにもかかわらず、配当は、期初に計画した金額をキッチリ支払っている企業が、ちらほらとあります。
配当は、利益が出たら、その利益の一部から支払われるもののように思われますが、赤字にもかかわらず期初計画通りとは、いったい、どこから、そのお金は出ているのか不思議に思ったことはありませんか?
実は、企業は、大なり小なり、生み出した利益の一部を積み立てています。
この会社内部に蓄積したお金のことを、利益剰余金といいます。
賃借対照表(バランスシート)では、純資産の部に記載される株主資本の一部です。
通常は、この利益剰余金から配当が支払われます。
したがって、赤字にもかかわらず、配当が支払われることがあるのは、この過去に積み立てた利益剰余金から支払われているからなんですね。
利益剰余金に似た言葉に、資本剰余金というものがあります。
まれに、この資本剰余金を原資として、配当が支払われる場合がありますが、この場合は、税務上、通常の配当とは異なりますので注意が必要です。
利益剰余金が多ければ多少業績が悪くても配当が支払われるケースが多い
財務情報が記載されている部分に、資本金等と一緒に、利益剰余金の額も記載されています。
この利益剰余金が多ければ多少業績が悪くても配当が支払われるケースが多いです。
決算発表資料等で、業績だけでなく、利益剰余金の額も確認しておけば、安定配当が期待できる企業かどうか、ある程度は判断がつきますので、是非ともチェックしてみてください。