裁定取引と裁定買い残

投資の世界で、よく出てくる言葉として、裁定取引や裁定買い残というものがあります。

 

以下では、それらについて、説明いたします。

 

 

 

裁定取引

 

裁定取引とは、価格差や金利差等を利用して売買を行うことにより利ざやを稼ぐ取引のことです。

 

アービトラージとも呼ばれたりします。

 

要は、同じものであれば同じ価格であるはずなのに実際は価格が違っているといった場合に、その違う価格が同一の価格に収斂していく性質を利用したものです。

 

裁定取引では安い方を買って高い方を売れば、最終的に同一の価格になり、結局のところ、その差額が利ざやとなります。

 

分かりやすい例でいうと、現物取引と先物取引の例です。

 

例えば、ある銘柄Aがあったとします。

 

現物価格が500円で、先物(期限は3ケ月後とします)価格は550円だったとします。

 

上記の場合に、安い方を買って高い方を売るわけですから、銘柄Aの現物を500円で買って、同先物を550円で空売りすることになります。

 

この時の価格差である50円が利ざやということになります。

 

最終的に同一の価格になれば、いくらで反対売買し決済したとしても、この50円は変わらないというのがご理解いただけることでしょう。

 

例えば、最終的な同一の価格が、600円だったとします。

  • 現物:600-500=100[円]
  • 先物:550-600=▲50[円]
  • 合計:50[円]

 

また、最終的な同一の価格が、400円だったとします。

  • 現物:400-500=▲100[円]
  • 先物:550-400=150[円]
  • 合計:50[円]

 

上記のように、最終的な同一の価格がいくらになっても、50円の利ざやを稼ぐことが可能です。

 

 

 

 

裁定買い残

 

裁定買い残とは、裁定取引を解消していない現物取引の買い残高のことです。

 

一般的には、上記の裁定取引では、現物買いと先物売りがセットになっています。

 

そして、先物取引には決済日がありますので、決済日の付近では、セットのパートナーである先物売りがなくなるので、現物買いのポジションを解消しようと売り圧力が高まりがちです。

 

つまり、裁定買い残は、現物の売り圧力になるということです。

 

したがって、裁定買い残が積みあがってきたら、早めにポジションを解消しておくのが得策だという判断になります。

 

反対のケースのことを、裁定売り残といいます。